Australia National Team


 豪州は2000年9月にオリンピック開催を控えていますが、その前年に行われた9月のFINAワールドカップでは、残念ながら8位に終わってしまいました。しかし、92年のバルセロナ五輪では5位、93年のワールドカップでは3位、98年の世界選手権では4位と近年の世界の水球界では上位にあげられるチームのひとつです。
 そのナショナルチームの練習の拠点は、首都キャンベラのオーストラリアン・インスティチュート・オブ・スポーツ(AIS)にあります。ここは、いわゆるナショナルスポーツセンターで、数種目のトップレベルの選手が、すばらしい施設と環境のもとトレーニングを積んでいます。水球競技は1985年にAISのプログラムとなり、シニア及びジュニアのナショナルレベルに認められた選手23名が奨学金を得ています。
 選手たちは立派なプールのみならず、専門のストレングスコーチによるウェイトトレーニングや、スポーツ科学者による体力測定やアドバイス、障害に対する医師やフィジオセラピストの対応がすべてここで受けられます。大部分の選手たちはAIS近辺に居住しており、半数は地元の大学へ通い、半数は地元で職を持っています。その選手の選考は、ナショナルリーグなどの国内の大会でナショナルチーム監督やコーチが行います。すでに10年以上もAISで奨学金を得ながら練習を積んでいる選手もいます。

戦術の説明Wall of Fame


 AISを拠点にしているために、年間のナショナルチームとしての国内外の試合や合宿の期間は、6〜8ヶ月も確保できるそうです。今年はオリンピックを控え海外遠征が長期間組まれていますが、その他の期間の練習は、AISプールで朝7〜9時と夜6〜8時頃に行われています。
 試合期である2月の朝のトレーニングは以下のような内容でした。障害防止やコンディショニングのためのウェイトトレーニンを週3回(1時間)、有酸素系と短いダッシュを混ぜたスイム2000〜3000mを週3回(30〜45分)、変わったトレーニングとしては、ランニングに続きボクシンの基本的なフットワークやパンチングを混ぜて行っていました。これは決して、試合中の乱闘に備えるものではなく、パワーやスピードを養うためだそうです。
 午後のトレーニンは、リーグ期間中で半数の選手が各チームで練習しているため、コンディショニング的な内容でした。メディスンボールを使ったパス練習、マーク付きやなしで様々な角度やタイプのシュート練習が中心でした。週に1回は他のプールで行われている地域リーグに選手が分かれて参加していました。
 また、コーチを育てる制度もあり、奨学生制度を設けて一定期間ナショナルコーチの元で研修を積む事ができます。

<AIS水球見聞録>


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